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腫瘍臨床の理想と現実 part2



前回はできものを見つけたらとりあえず細胞から敵の正体を探ろうというところで終ったかと思います。

できてるものは取りたいのが飼い主心でしょうし、獣医師としてもできれば動物も飼い主さんもすっきりしてもらいたいです。

しかし、うっかり取ると恐ろしい腫瘍もあります

まずは、生検(FNA)とよばれるできものの細胞がどのような傾向にあるかを調べます。院内で判断できる腫瘍もありますが、しっかりと診断してほしい場合は検査センターに依頼します。

腫瘍でなければ、または良性腫瘍の可能性が高ければ摘出を勧める場合が多いでしょう。また、自然になくなる可能性のある腫瘍であれば様子を見てもいいでしょう。腫瘍でなければ、再発や出血・化膿の心配がなければそのままにしておくことがあります。

もし悪性腫瘍の可能性があれば、摘出範囲を拡大しなければいけませんので、部位によっては(四肢や顔面、肛門周囲)完全に摘出することが困難になります。そうなると、摘出後の再発や傷の癒合不全・転移の有無等を考えなければなりません。飼い主さんといろいろなケースについてよくお話して治療方針を決めます。

最近は高度医療が受けられる大きな病院が関東にはいくつかありますので、CT・MRI検査をうけてから治療を始める場合もあります。また放射線療法や化学療法(抗ガン剤)治療も積極的に行われるようになってきました。

高度医療を希望される飼い主さんにはそのような病院を紹介するケースもあります。

しかし、人間のように早期発見されるケースは稀であるため、かなり進行している場合がほとんどです。 化学療法や放射線治療ではある程度の副作用はかならずみられますし、治療費も高額になります。よく説明を受け、わからないこと・言葉があれば小さなことでも聞いてみましょう。