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消化器系のはなし

JUGEMテーマ:ペット


獣医療も人同様日々進歩しており、昨日の常識は今日は非常識と言われることも多々あります。もちろん昔の考え方が見直されたりすることもあります。私のような臨床(患者さんと向き合っていること)獣医師は様々な情報に耳を傾け日々の診療に取り入れたり、診察治療の幅を広げたりする努力をしています。また獣医療も専門化されつつあるため、場合によっては専門家を紹介したり、診断・治療方針を立ててもらいそれに沿った治療を行うなど、飼い主さんと一丸となって動物の診療に当たるという一次診療の場を充実させるべく頑張るつもりです。
以前に書いたブログの内容も今ではちょっと考え方が変わってきた、といこともあると思いますので今一度飼い主さんと一緒に勉強しなおすつもりで病気や体の構造についてお話していこうかと思います。
今回は歯の話です。
歯は食物を取り入れる大切な入り口で重要な働きをしています。分かっていても歯の手入れは人でも大変ですよね。ましてや動物の歯磨きをすることは並大抵の努力ではありません。人では虫歯が問題になりますが、犬猫では主に歯垢歯石の蓄積による歯周病が問題になります。また、ウサギでは歯が伸び続ける機能が災いして、とげ状となった歯が口腔内を傷つけたり、歯周炎から歯の根元に膿がたまったりして骨髄炎をおこすことが問題となります。
犬猫では生後4-6カ月位のときに永久歯が生え始め乳歯が脱落します。猫では少ないですが、犬では乳歯が抜けず永久歯が正常の位置にはえてこなかったり、間に歯垢がたまって歯周炎を起こすことがとくに小型犬多く見られます。これを予防するには抜け残った乳歯を早めに抜歯してあげることです。ただし全身麻酔が必要となるので、避妊・去勢手術の時に一緒に処置をすることをすすめています。