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犬アトピー性皮膚炎

JUGEMテーマ:わんこ
アトピー性皮膚炎というと、人のアトピーがありますので知らない人はいないでしょう
 犬のアトピー性皮膚炎はまだ病態が良く分かっていないことと、人ではアレルギー性疾患ではないとされていますが犬では”特徴的な臨床像を有し、遺伝的素因のある炎症性・掻痒性のアレルギー疾患”とされています。
環境中のアレルゲン(アレルギーをおこす原因物質)にたいする抗体が関与している場合も多いようです。
環境中のアレルゲンでは主にハウスダスト・マイトと呼ばれるダニに対するものが関与しています。そして湿度の高くなる季節に増加します
 人でも犬でも厄介な皮膚炎には変わりありません。アトピー体質は遺伝するとされていて、もともと皮膚のバリアー機能が弱く、物理的な刺激(摩擦など)やアレルギー物質による炎症などで皮膚の常在菌が増えたりするとますますかゆみがまして掻き壊してしまうようです。
 アトピーにはステロイドホルモンが効きますが、人ほどではありませんがこの薬は副作用も大きいくすりです。長期間の投薬も必要になりますからアトピーと決めるにはしっかりとした診断が必要になります。
 診断といっても”この検査で陽性ならアトピー”という検査はありませんので、ほかに痒い皮膚炎を起こす原因となるものを除外していかなければなりません。それにはあるていどの検査と数カ月の期間が必要です。初診時に今までの様子や食餌内容を詳しくお聞きし、簡単な皮膚の検査をさせてもらうことから始まります。
 皮膚の常在菌が増えて痒くなる膿皮症、ヒゼンダニや疥癬、ニキビダニといったダニの存在、ノミアレルギー、食餌アレルギーなどが主な除外項目です。また、これらとアトピーが混在しているケースもあります。甲状腺機能低下症や副腎機能亢進症(クッシング症候群)がもとにあることもあります。
 アトピーとなると自宅と病院との協力で治療を進めていかなければなりません
まずは、これらの疾患を念頭に置いた治療を数カ月かけて行っていく中でアトピーがあるかないかを見極めていく必要があると考えています。