動物ではなかなか原因菌を培養検査で特定して抗菌剤を決めることは費用の面からおこなわないこともあります。感染症の起きている部位、経過、症状などから原因菌を想像することができます。それに一番効くとされる抗菌剤から使っていくことが多いです。
また、ハムスターやうさぎでは使える抗菌剤の種類が限られているので同じ抗菌剤を使わざるを得ないこともあります
処方された抗菌剤は効いているか効いていないかを判断し、数週間から数カ月使用することもあります。飼い主さんの判断でやめたりすると、せっかく効いていたのに菌を完全に抑えられないまま投薬を中断することになり、再発や慢性化を引き起こす可能性があり、効く抗菌剤がなくなってしまうこともあるのです。処方期間や薬に疑問があるときは獣医師にしっかりと説明してもらい、必要であれば長期間であってもしっかり投薬してください。
投薬が難しい猫ちゃんなどには、長期間効果が持続する注射剤が使用できることもあります。獣医師に相談してみるのもいいでしょう。
最後に、抗菌剤は菌による感染症から救ってくれるすばらしい薬です。しかし、その薬の多用で薬が効かない菌がでてきて、その菌に対する薬がつくられまた耐性菌がでてくる、というイタチゴッコになっています。どんな菌にも抵抗できるもの、それは生体です。もともと持っている免疫力が高ければ感染症にかからず、薬にも頼らずに動物も人も生きていけるのだと思います。抵抗力をあげるには食餌、飼育環境が大切です。できる予防をきちんとし、悪い菌が繁殖しないような身体づくりをこころがけてあげましょう。