実際不妊・去勢手術によって防げるあるいはかかる確率が低くなる病気は、卵巣疾患(卵巣のう腫、卵巣腫瘍)、子宮疾患(子宮蓄膿症、子宮腫瘍、子宮水種)、乳腺腫瘍、前立腺疾患(良性過形成)、精巣腫瘍などがあげられます。またホルモンによっておこる情緒不安などもなくなります。ウサギなどではこの情緒不安によって自咬症を引き起こすこともあります。
卵巣疾患は陰部からの長期の出血や不正出血などから検査によって分かることもありますが、子宮疾患同様兆候がわからない場合もあるため、からだへの影響が出始めてはじめて発見されることも少なくありません。どちらも一般的な症状は食欲不振、陰部からのおりものなどです。子宮蓄膿症は薬で抑える方法がとられることもありますが、最終的には手術が必要になることが多いです。これらの疾患は自然には治りませんので、すべて手術による摘出が必要になります。腫瘍性のものは転移、再発、腫瘍随伴症候群などの危険があります。
これらの病気が早期発見され、手術も順調にできれば、その後元気に暮らせることが多いため、手術をした効果を実感してもらえる病気でもあります。