トラブル解決法

子猫の下痢

先日お話した猫の親子。子猫もご飯をすこしずつ食べるようになり、母乳も飲んでいるしと安心していたのです。子猫が下痢をしました。検便をして寄生虫の卵も原虫も見つからなかったので食べすぎか?と思い整腸剤で様子をみているとお母さんも下痢
ウイルス感染も考えられないしどうしたんだろう?と思っているうちに子猫の1匹が死んでしまいました。子猫には強制的にご飯を食べさせていたのになぜ?

お母さんの便をしらべると回虫といいう腸内寄生虫の卵がありました。回虫は本来さほど害を及ぼさないので症状に出ないことがあり、見逃されやすい寄生虫です。妊娠出産を機に体内移行といって幼虫が体内をめぐり、母乳・胎盤をとおして子どもに感染することがあります。回虫ごときでと思いましたが一応親子に虫下しを飲ませました。すると、子猫の便から回虫が排泄され、下痢もまもなくおさまり、ごはんもよく食べるようになりました

子猫の下痢、食欲不振というと、パルボウイルス感染による汎白血球減少症がすぐに思い浮かびます。しかし、この病気は気付いたときには死亡してしまうおそろしい病気です。成猫でも早く積極的な手当てをしないと死亡することが多い病気です。

しかし、今回のように下痢をしてしばらく手当てをする余裕のある病気?私のなかでは回虫の感染など考えられなかったのです。ましてや子猫の便の中には回虫卵はありませんでした。

そうです、まだ卵を産む前の未成熟の回虫によって引き起こされてたことが考えられるのです

幸い残りの子猫は元気に育ち、もうすぐ里親に引き取ってもらえるまでになりました

死んでしまった子猫にはすまない気持ちでいっぱいですが、今更ながらとても勉強になった一件でした。