最近は猫ちゃんの寿命がのび、15歳を超えることが珍しくなくなりました。
長生きしてもらいたいのはどの飼い主さんも願うことです。
年齢に関係する病気、慢性腎臓病、変形性関節症、糖尿病、甲状腺機能亢進症などは10歳を超えると見つかる頻度が増しますが、大半の病気は症状が進行してから出てくるものです。ですから高齢動物に適した食事は病気の進行を遅らせるだけではなく予防効果もいられるものが望まれます。
栄養状態は悪くても過度であっても短命であることがわかっています。つまり痩せていても太っていても長生きできないということです。これは若いころから生涯を通じて良好な栄養状態を保つことが必要であると言えます。
不妊手術や去勢手術後はどうしても太りやすくなりますが、今はこれらの手術後に適した栄養要求量を満たした食事が出ているので、それらを利用して太り過ぎを防ぐとよいでしょう。
腎臓には十分な良質タンパクを含みリンを抑えた、EPA,DHAを増量した食事がいいと言われています。完全肉食の猫ちゃんですが、大豆やグルテンなどの植物性タンパクは消化が良くリンの含有量が低いので上手に利用すれば食事の原料になりうる様です。
EPA,DHAは魚の油に多く含まれています。これらには免疫力をあげたり、炎症を抑えたりする作用もあるので、グルーミングをあまりしなくなって皮膚がかさつきがちになったり、関節症を起こしやすくなったりする高齢猫ちゃんの食事には積極的に取り入れると良いようです。
また、緑イ貝やグルコサミン、コンドロイチンといった成分は関節症の症状を軽減することがわかっています。これらはサプリメントでとることができます。
しかし、猫ちゃんは食事を気に入ってくれないと食べてくれません。若いうちに好んで食べてくれる良質なキャットフードをえらび、年齢によって成分を考慮して作られているフードのシリーズが揃っているものを食べ続けられると長生きしてくれるといえるでしょう。