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クッシング症候群

JUGEMテーマ:わんこ


クッシング症候群とは副腎皮質機能亢進症のことをいいます。
副腎とは腎臓の少し頭側にある臓器で左右1対あります。ストレスに対抗するホルモンを分泌していて、血圧をあげたり血糖値をあげたりする作用があります。
ここの臓器がなんらかの原因で(腫瘍、過形成)ホルモンを過剰に分泌してしまうことでおきる症候群です。
症状としては太鼓腹、皮膚が薄くなる、筋力がなくなる、多食、多飲多尿、毛が薄くなる、皮膚病などです。
血液検査をしてみると肝臓の数値が上がっていたり、高脂血症になっていたりします。放置しておくと心臓に負担がかかって心不全をおこしたり、肝機能不全、肺線維症、ケイレンなどをおこすことがあり、命にかかわってきます。
はっきりとした診断は、ACTHという副腎を刺激するホルモンを注射し、前後のコルチゾールという副腎から出されるホルモン値をみて行います。副腎性か下垂体性かを判別するためにステロイドホルモンを投与してコルチゾールを測る検査が追加される場合もあります。
エコー検査で副腎の腫大がみられることもあります。
これらでクッシング症候群が疑われる場合は投薬や副腎摘出手術を行って治療します。投薬も副腎のホルモンが作られないようにする薬を使うことが多いので、投薬量が過剰になると逆の副腎機能低下症を起こしてしまう可能性があるため慎重に行います。飼い主さんとの密接な連絡の取り合いが必要です。

コルチゾールの検査費用や治療薬は高価なため、症状、とくに飲水量を見ながら投薬量を増やして行く方法で調節し、1か月から2,3カ月に1回のコルチゾール検査をしながら経過を見ます。