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シャンプー療法

JUGEMテーマ:わんこ
犬のアトピー性皮膚炎についてお話しします

アトピーは外からの刺激に反応しやすい体質を持っているといえます。
アレルギーを起こすような物質(アレルゲン)である花粉やハウスダストの被毛への付着、皮膚の掻き傷、食物などに敏感に反応してしまい皮膚がかゆくなる→掻く→皮膚のバリアーがうまく働かなくなる→真菌や細菌の感染→痒くなる→掻く のように悪循環に陥ってしまいます。
悪循環を止めるにはこの連鎖の様々な所に働きかける必要があります。体質自体は治るものではありませんから身体に負担がかからない方法で一生努力を続けなければなりません
まず、痒くて傷が付いている場合、当然経過が長ければ感染が起こります。これに対しては感染に対して抗生物質や抗真菌剤を使います。3週間以上しっかりと投薬して感染を抑えます。
痒みに対してはステロイドが効きます。ステロイドは人で副作用が大きいのでイメージの悪い薬ですが、犬は人よりは副作用が弱いので、獣医師によって意見が分かれるところではありますが、適切な量を適切な期間使ってあげると維持がしやすいと思います。また局所的な痒みには外用薬を使用してなるべくステロイドの副作用をおこさないように努めます。
炎症、痒みが治まったら皮膚のバリアー機能を正常に保ち、花粉やハウスダストの落とすためにシャンプー療法を勧めています。始めは抗菌作用のある薬用シャンプーを使用するのがいいと考えています。週1回から2回シャンプーするのが良いですが、家でできない場合はできる限り病院に足を運んでもらってシャンプーしています。
薬用シャンプーで改善がみられたら、刺激になる成分が極力入っていないシャンプーやオゾン水のみのシャワーなどに切り替え、頻度も1-2-週間に1回(症状にもよりますが)程度にして皮膚を清浄に保つようにします。これが維持療法になります。

また、食餌も消化の良い抗炎症脂肪酸と言われている成分を含むものや、アレルギーを起こしにくいたんぱく質やアミノ酸を使用したものに変更するのが良いと思います。
良好な状態を保つのは大変ですが、できないことではありません。飼い主さんと協力して頑張っていきたいと思っています。