フィラリア症の概略と薬の種類についてお話しましたが、今回は予防期間についてです。
フィラリアが蚊によって媒介するのと、予防薬というけれど虫を心臓に達する前に駆除する薬であることはお話いたしました。
蚊によって運ばれた仔虫は皮膚や筋肉内で数か月成長し、最終的に心臓内に達し成虫となり交尾によってメスが仔虫を産みます。それまで感染してから6カ月くらいかかります。
1か月に1回投薬するタイプのものは感染してから1カ月くらい成長した仔虫に一番効果があり、50日近く成長したものには殺虫能力が減少します。
また、感染犬から蚊にうつった仔虫は蚊のなかで感染能力をもつ虫に成長するにはある程度の温度が必要です。関東では大体この平均気温をこえるのが5月ころです。ですから、1ヶ月後の6月初めから投薬開始すれば間に合います。また、気温がさがり蚊がいなくなるのが10月ころですので、11月終りまで投薬を続けます。
うちの病院では6月~12月までの毎月1日投与というプログラムを推奨しています。
10月ころまでは感染能力のある虫を持つ蚊がいるわけですから、10月以前に生まれた子犬には次のシーズン血液検査を行って感染していないことを確認してから投薬をはじめます。感染していると投薬によりショック症状をおこす子もいるからです。
検査は血液中に仔虫がいるかいないか?あるいは心臓内に成虫がいるかどうかの抗原検査ですので、先ほどお話したように感染して6-7ヶ月経たないとわからないということもありますが、基本的には血液内に仔虫がいなければ投薬しても問題ないので、前述の時期に生まれた子イヌでは5月位に検査をしています。
また、ねこやフェレットでは仔虫が検出できるまでの匹数寄生していることはあまりないので、投薬前の検査を割愛することもあります。
成犬ならば成虫の抗原検査は早めにやっても結果でますので、年明けで都合のついた時期早めに検査しておくということもします。
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