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リンパ腫

JUGEMテーマ:ペット

リンパ腫はご存じの飼い主さんもいらっしゃると思います。犬では顎下、胸前のリンパが大きくなって気がつくことが多いでしょうし、猫では食べた物を吐出してしまったり、食欲がなくなったり、咳をするようになったりで、レントゲン検査やエコー検査などで胸の中の縦隔という場所にできているのがわかったりします。

また、年をとった猫ちゃんが下痢、嘔吐を繰り返し腸や胃の細胞をとって調べたらリンパ腫だった、ということもあります。フェレットやうさぎ、ハムスターでも見られます。

リンパ腫は完治することがあまりない腫瘍で、見た目の病変がなくなることを「寛解」という言葉を使って表します。リンパ腫かどうかは大きくなったリンパ節や胸腔であれば胸水か腫瘤、消化管であれば直接臓器の一部を取り出して細胞を調べます。
体表にあれば細胞も検査しやすいですが、消化管や目にできている場合には簡単にはいきません。とくに消化管のリンパ腫が疑われる場合、下痢やおう吐で全身状態を悪くしていることもありますので、麻酔をして開腹し、細胞をとってくるのは命にもかかわります。

診断が下せればおもに化学療法(抗ガン剤療法)でリンパ腫の細胞を抑えていくことになります。人でも同様ですが抗ガン剤は正常な細胞にも影響を与えますので、問題になるのは副作用とその程度ということになります。

抗ガン剤の副作用で下痢、嘔吐がみられたり、人ほどは問題になりませんが毛の色が変わってきたりすることもあります。また、高齢であったりするとその副作用で最終的に命を縮めることにもなりかねないからです。

また、ウサギやハムスター、フェレットであると血管から入れるくすりが使えないケースもあり、寛解させることが難しくなります。

リンパ腫はいくつかの型に分かれていて、抗ガン剤治療に抵抗するものもあります。腫瘍はみな大変な病気ですが、抗ガン剤治療をするか否か、強い抗ガン剤を使用して寛解をめざすか、よく話し合って動物も飼い主さんも良かったと思える治療をかんがえていかなければなりません。

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