フェレットのこと

フェレットの副腎疾患

フェレットに副腎疾患が多いことはよく知られているところです。
原因ははっきりとしてませんが、早い時期の去勢や避妊、食事、日照時間などの可能性が挙げられています。
犬で副腎疾患というとコルチゾールといういわゆるストレスホルモンが過剰になったり不足したりすることで起こる病態が主ですが、フェレットでは性ホルモンが過剰になっておこることがほとんどのようです。
症状として8割の症例にみられると言われるのが脱毛で、尾や腰部から始まることが多く次第に対称に頭側にむかって拡大していきます。雌では外陰部の腫れ、雄では前立腺の肥大、のう胞、膿瘍(膿がたまる)などによって血尿、排尿困難、尿路閉塞がみられることがあります。筋肉の委縮による体重減少、後肢の麻痺、活動性の低下、寝ていることが多くなるなどの全身状態の悪化、骨髄抑制による貧血、あざ(紫斑)、感染なども起こります。
副腎の異常のみで死亡することはありませんが、前記のような全身症状の悪化から衰弱していきます。
副腎が異常に大きくなったり、腫瘍化してこれらの状態が起こります。治療としては外科的に摘出したり薬で性ホルモンを抑えたりすることが行われています。ご存知の方が多いかもしれませんが右の副腎は大きな血管にくっつくようにあり摘出が困難です。摘出できるのは左のみと考えた方がいいでしょう。
 薬は毎日の投薬が必要なものと1か月に1回程度の注射が主です。しかし、根本治療ではないので症状は改善されても再発や悪化が見られます
年をとってから多発するため他の疾患(リンパ腫、インスリノーマ、心疾患など)も併発している可能性が高くなります。多方面からの治療が必要なことも少なくありません。残念なことにフェレット加齢によって増加するこれらの病気は互いに影響しているため、治療も困難な場合が多いと言わざるを得ません。