オスネコの下部尿路疾患(FLUTD)は血尿、排尿困難、頻回尿、尿路結石などの症状を呈する病気としてよく知られています。時には砂状の結石が尿道につまり、トイレに行くけど尿がでない「尿道閉塞」を起こすこともあり、そのまま気がつかないで数日すると尿毒症で死にいたることもあります。
私が獣医師になりたてのとき、自分の家の猫をこの状態で助けてあげることができませんでした。以後決して猫をこの病気で死なせまいと心に誓い、早期発見と治療に力を入れてきました。
尿道閉塞を起こした時は、その解除が何よりも先で、尿毒症や高カリウム血症改善のための積極的な点滴治療が必要になります。ですから、オスネコが何度も何度もトイレに行っていたり、トイレ以外の場所で排尿することがあったら念のため病院に連れていったほうが良いでしょう。
メスネコは尿道が広いので、まず閉塞を起こすことがありませんから命にかかわるような状態に陥る可能性は低いでしょう。しかし、飲水量が減ったり、トイレが汚れているなどして排尿回数が減るような状態があるとFLUTDを発症する可能性があります。
気温が下がると飲水量が減りますし、気温が上がると不感蒸泄(皮膚などから知らないうちに失われていく水分)が多くなるため尿が濃くなりメスネコちゃんの膀胱炎も増えます。閉塞はおこさないものの、血尿などが見られたり何回もトイレにいっても出てなかったりするときは、多少なりとも痛みがあると考えられるので早めに受診してください。ネコちゃんは投薬が難しいので治療が大変ですが、最近は長時間きく抗生物質の注射がありますし、処方食もおいしくなっているのでご相談ください。
膀胱内に大きな結石があれば手術が必要なこともありますが、小さいものでは処方食で溶解できることもあります。いろいろ悩むより、まずはご相談ください。
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