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消化器の話 (慢性嘔吐)

前回急性胃炎についてふれましたが、胃腸系の症状として嘔吐があります。今日はこの嘔吐、とくに慢性嘔吐についてふれます。2週間以上断続的に続く嘔吐は慢性と言えるでしょう。猫は割合よく吐く動物ですが、食欲が低下していたり食後決まって嘔吐する状態が続くようなら慢性嘔吐としていいでしょう。
 慢性の嘔吐は要注意です。深刻な病気が潜んでいる場合が多いからです
   原因は慢性胃炎、腫瘍、炎症性胃腸炎、膵炎、腎不全、肉芽腫性胃炎、幽門狭窄、腸閉そく、胃アトニー(なんらかの原因で胃の運動性が落ちて胃に停滞する)、肝胆疾患と多岐にわたります。そのため鑑別診断が難しく試験的に開腹して精査することも必要になってきます。また動物では飼主の知らないところでの異物摂取によりこれらの病態となっていることもあり、ますます診断がむずかしいところです。
 経過にもよりますが血液検査、X線検査、消化管バリウム検査、腹部超音波検査、内視鏡検査などにより状態を絞り込んでいきます。
 試験開腹や内視鏡検査は全身麻酔が必要ですので血液性状が悪い場合には実施が難しくなることもありますが、それ以外の方法で診断がつかない場合や症状の改善が見られない場合にはやむをえない検査ですし、実際それによって発見される病気もあります