犬の負担を考えると、緊急状態でなければこの順番に治療的診断を行っていくのが効果的です。
食事の変更は消化の良いもの、低脂肪のもの、過敏反応を起こしにくい蛋白を含んでいる、線維量の多い食事などから選んで行います。2~3週間変更して様子をみます。
食事の変更では便の状態や嘔吐が改善しない場合、腸内で細菌が異常繁殖しているケースを考慮して抗生物質を投与してみます。これも反応があれば1か月以上投与することが必要です。
これで反応がなければ、腫瘍、免疫が過剰に反応しているものの可能性が高まるため抗炎症剤や免疫抑制剤、あるいは外科的な処置が必要になってくることもあるため内視鏡検査、試験開腹などを行って直接細胞をとって検査する必要が出てきます。これは麻酔下で行いますので検査が与えるストレスは大きくなります。
リンパ腫やIBDとよばれる炎症性腸疾患は抗炎症剤、抗ガン剤、免疫抑制剤の投与が必要となるため身体への負担が大きくなり、ワンちゃんのその後の状態が悪くなることも多いため、診断されると怖い病気です。