今回は胃の話です
胃は食道から送られてきた食物を一時的に蓄え消化する働きがあります。胃では胃酸(塩酸)が分泌され、食物と一緒に入ってきた微生物のほとんどは死滅します。
胃液(胃酸と消化液)は食べ物のにおいや味を感じると分泌され、胃の中に物が入ってくる刺激によってさらに分泌されます。
胃の異常に関係した症状というとまず嘔吐があげられます。動物の中にはめったに嘔吐をしないものもいますが、犬や猫ですと苦しそうにみぞおちの辺りを大きく何度も動かしてケコッ、ケコッという音のあとに吐き戻すことが多いでしょう。
嘔吐は胃の中に入った異物や刺激の強いもの、胃の動きが悪くなるような状態があるときに引き起こされます。急性嘔吐を生じる一般的な原因は急性胃炎で食物、異物、毒物などを食べた時に起こります、拾い食いなどでおきますし、異物ではおもちゃや食べ物を容器ごとたべてしまったなどがあります。毒物としては殺虫剤、除草剤、たばこ、人の薬、有毒植物、有毒動物の摂取などがあります。しかしそれらのものを食べてもすぐに嘔吐しない場合もあるので注意が必要です。
これらはまず原因となっているものに対して処置することが必要です。吐いた方がいいものはわざと吐き出させることもあります。必要におうじてその後胃酸の分泌をおさえる薬や胃粘膜の保護のための薬、制吐剤などを使用します、。また、嘔吐した後はしばらく胃に何かが入ってきただけで反射的に吐いてしまいますので、水や食べ物を食べさせないようにします。それに伴って脱水症状が起きそうなときは点滴などで予防します。
急性嘔吐の原因には感染症、急性膵炎、腎不全、腸閉そく、中毒などもありますので原因がはっきりしないときには早めに獣医師に相談しましょう
湿度が高いと汗がかけない動物にとっては熱中症になりやすい状況ですので、こまめに水分を取らせたり風を送ったりして予防しましょう。