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消化器系の話(犬の口に出きる腫瘍)

JUGEMテーマ:わんこ

せっかくうちのkikiが教えてくれたことなので、口腔内にできる腫瘍についてすこし話しておきたいと思います

わんちゃんたちの口で問題なのは歯や歯周炎のほかに腫瘍があります。腫瘍はどこにできるものも原因がわからないものがほとんどなので予防は難しいですが、誘因物質への暴露や炎症などの刺激が長期にわたると発生リスクが高くなります。

口腔内にできる腫瘍は良性悪性もありますが、悪性腫瘍は切除範囲が限定されることで大きな問題になってきます。
歯を形成する組織から発生する腫瘍歯以外の組織から発生するもの分かれます。歯由来のものには良性腫瘍が多く、転移が少なく顎の骨内や歯肉・粘膜などに病変が限定されます。

もっとも多いのがエナメル上皮腫といわれるものです。そのほかの良性腫瘍には歯肉がカリフラワー状に増殖する線維腫性エプリス歯芽腫などがあります。これらには悪性のものもあり悪性エナメル上皮腫エナメル線維肉腫といわれる腫瘍があります。そのほかに歯肉が増殖する非腫瘍性病変もあります。

歯以外の組織からできる腫瘍には悪性のものが多く、その中でも悪性黒色腫が最も多い腫瘍です。メラニン色素がおおく見た目黒いものから、グレーから歯肉の色と変わらないものまであります。

大抵発見された時にはリンパ節や肺に転移していることが多いです。転移している腫瘍は局所の切除だけでは問題が解決しないため残念ながら手遅れとなってしまいます。転移がリンパ節、肺にみられない場合には広く切除し、化学療法(抗がん剤投与)放射線治療を行って拡大を防ぎます。

多くの腫瘍と同様見た目では悪性、良性の 判断はつきませんから、確定診断には組織検査、病理検査が必要です。あとから悪性と分かった時には顎の一部全切除が必要となる場合もあります。